昼寝好男のブログ

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Apple Watchのアクティビティ「スタンド」、その根拠は何か?

スタンドを促す画像

Apple Watchをつけて1時間ほど座り続けていると「スタンドの時間です!」と表示され、立つよう促されます。Apple Watchの勧めに従って1分ほど歩くと「やりました!」と表示されます。1時間にたった1分歩くだけのアクティビティを勧めてくる理由はなんなのでしょうか。調査してみました。

アクティビティの3つのリング

スタンドはアクティビティの「3つのリング」の1つになっています。1日の間に3つのリングを完成させることがアクティビティの目標になっています。まずは、3つのリングとは何かをおさらいしてみましょう。

3つのリング

  1. ムーブ(外側の赤色のリング)
    一番外側の赤色のリングは「ムーブ」を表しています。日常生活のさまざまな動きで消費されるカロリーを計測し、自分が設定した目標値に達するとリングが完成します。人間がじっとしていても消費されるカロリーである基礎代謝に対して、体を動かすことにより消費される追加のカロリー消費量です。これはわかりやすいですよね。
  2. エクササイズ(真ん中の緑色のリング)
    真ん中の緑色のリングは「エクササイズ」を表しています。ジョギングや30分以上の早歩きなど、能動的に行った運動消費量がカウントされ、自分が設定した目標値に達するとリングが完成します。健康づくりのために行なっているエクササイズで消費したカロリー消費量です。これもわかりやすいですよね。
  3. スタンド(内側の水色のリング)
    最後に、内側の水色のリングが「スタンド」です。1時間に1分間、立ち上がって歩くのを12回達成するとリングが完成します。座りっぱなしは体に良くなさそうなのは感覚的にはわかりますが、ムーブやエクササイズと同じくらい重要なものなのでしょうか。スタンドを勧める理由が気になります。

Apple によるスタンドの説明

Apple公式のリングを完成させようによると、スタンドの説明として次のような記述があります。

座りすぎは健康問題の一因となることがあります。だからApple Watchは一日を通して、 あなたのスタンドゴールに向けた進捗を記録し、立ち上がるきっかけを与えます。座っている 時間を減らすことは、血圧を下げ、活力を高め、心疾患のリスクを低下させることに つながります。
(中略)
長時間にわたって座り続けることは、2型糖尿病を進行させる一因となることがあります。

座りすぎが健康によくないという根拠の提示はありません。しかも1時間にたった1分間立ち上がって歩くだけで、座りすぎの弊害が改善するという根拠も提示されていません。なんかモヤモヤします。

アメリカ心臓協会のページを調べてみた

2018年9月にApple Watch Series 4が発表された時、アメリカ心臓協会会長のアイバー・ベンジャミン博士が登壇しました。ベンジャミン博士は、Apple Watch Series 4の新しい機能である心電図測定機能に関して、心臓病の早期発見に役立つだろうという見解を述べていました。そこで、もしかするとApple Watchがスタンドを勧める根拠がアメリカ心臓協会のページに掲載されているのではないかと調べてみました。するとSitting too much may raise heart disease riskという記事が見つかりました。

この記事はアメリカ心臓協会のサイエンス・アドバイザリを参照しつつ、座り続けることの弊害をわかりやすく解説しています。詳しくはリンク先の記事を読んでもらうとして、定期的な運動習慣を持っている人であっても、座り続けることにより心臓疾患や脳卒中のリスクが高まる可能性があるそうです。そして出社してから昼休みまでずっと座り続けるのではなく、途中でオフィスを2、3回歩き回ることを勧めています。9時に出社したとして昼休みまで3時間。だいたい1時間に1回歩くことを勧めていることになります。また、ヒューストン大学のマークハミルトン教授によれば、たとえ毎日30分のエクササイズをしたとしても、それが残りの23時間30分の行動に対する予防接種にはなるわけではないそうです。

Apple Watchが「ムーブ」と「エクササイズ」の他に「スタンド」を重要視している根拠が見えてきました。1日の間に体を動かす時間があっても、ずっと座り続けている時間があれば台無しになってしまうため、別途「スタンド」という目標を設けているのですね。